正社員にならない生き方について話すと、だいたい決まった反応が返ってきます。
「もったいなくない?」とか、「将来大丈夫?」とか、わりと心配寄りの言葉です。
たしかに世の中的には、正社員=安定というイメージがまだまだ強いと思います。
新卒で就職して、フルタイムで働いて、昇給して、というルートが一種の正解として共有されています。
でも僕自身は、その正解にどうしてもピンときませんでした。
正社員にならないのは逃げなのかと言われると、正直そうは思っていません。
正社員が向いていないと感じた理由

理由はいくつかありますが、一番大きいのは生活と仕事のバランスです。
フルタイムで週5日、決まった時間に働き続ける生活を想像したとき、どうしても息苦しさを感じました。
仕事そのものが嫌というより、拘束時間の長さや、自由度の低さが合わなかったという感じです。
自分の時間が細切れになっていく感覚が、どうにも耐えられませんでした。
正社員に向いていない人、というのは確実に存在すると思います。
それは能力が低いとか、根性がないという話ではなく、単純に特性の問題です。
「安定」の中身を分解してみる
正社員のメリットとしてよく挙げられるのが安定ですが、これも中身を分解してみる必要があります。
収入が毎月ほぼ一定であること。
社会保険への加入や福利厚生が良いこと。
将来の見通しが立てやすいこと。
たしかにこれらは大きな利点です。
ただ、それと引き換えに、時間の自由度や精神的な余白を差し出している面もあります。
僕の場合は、多少の不安定さよりも、自由な時間が多いほうが幸福度が高いと感じました。
ここは完全に価値観の違いだと思っています。
正社員じゃなくても生活はできる
正社員にならないと生活できない、というのは半分正しくて、半分は思い込みだと思います。
確かに収入は下がりやすいですし、自己管理も必要になります。
でも、生活費を抑えたり、働き方を調整したりすれば、フルタイムで働かなくても生きていくことは可能です。
非正規という言葉にはネガティブな印象もありますが、実態はかなり幅があります。
毎日8時間働く代わりに、必要な分だけ働く。
それだけの話とも言えます。
「やってみないと分からない」は本当か
正社員を経験せずに判断するのは早い、という意見もあります。
それも一理あるとは思います。
ただ、ある程度の想像やシミュレーションは可能です。
周囲の話を聞いたり、制度を調べたり、自分の性格を考えたりすれば、合うか合わないかの見当はつきます。
全てを実体験しなければ判断できない、という考え方自体が少し極端なのかもしれません。
正社員にならない=責任を放棄しているわけではない

正社員にならない選択をすると、どこかで「楽をしている」と見られることがあります。
でも実際には、責任の取り方が違うだけです。
収入が不安定になる分、自分で考えて動く必要がありますし、将来設計もよりシビアになります。
会社に委ねていた部分を、自分で引き受けているとも言えます。
責任がないのではなく、責任の所在が自分にある、という感覚です。
自分に合う形を選ぶだけ
正社員にならないという選択は、万人に勧められるものではありません。
同時に、否定されるべきものでもないと思っています。
重要なのは、世間の正解ではなく、自分にとっての無理のなさです。
長く続けられる形かどうか。
精神的に消耗しすぎないか。
その結果として正社員を選ばないのであれば、それは逃げではなく生き方の調整です。
僕はそう考えています。

