「もうそんなに頑張らなくていいんじゃない?」
そう気づくまでに、何年もかかったという人は少なくありません。
特に40代になると、心も体も“無理が効かなくなる”実感と向き合う場面が増えてきます。
今回は、「あまり働かない」と決めたことで、自分らしい穏やかな暮らしを手に入れた40代女性のライフスタイルをご紹介します。
「何もしない」のではなく、「無理をしない」。
その境界線で心地よく生きるヒントを探ります。
過去の“無理”が今のライフスタイルにつながった
彼女がこの生き方を選んだきっかけは、若い頃に詰め込みすぎた働き方にありました。
若いときに無茶なシフトに入り続けて、体を壊してしまったんです。
それに、どれだけ頑張っても“特に何も得られなかった”と感じたんです。
頑張ることが美徳とされがちな社会の中で、知らず知らずのうちに無理を重ねていたことが、体の限界を迎えてからやっと見えてきた。
そんな人も多いのではないでしょうか。
月15万円で暮らす生活。シンプルだけど、工夫がある
現在の彼女の収入は、週5日・1日6時間程度のアルバイトと、障害者年金を合わせて月15万円ほど。
生活費の内訳は以下の通り。
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家賃:6万円
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光熱費:1万円
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通信費:0.5万円
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食費:2万円
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雑費・日用品:1万円
年金・健康保険は給与からの天引きで、月10万円程度で生活を回しているとのこと。
必要最低限の出費におさえつつ、「余計なことに振り回されない生活」を意識しているそうです。
空いた時間は、副業探しと“現実的な模索”
自由時間というと、趣味に没頭したり、のんびりするイメージがありますが、彼女の場合は少し違います。
クラウドワークスでできる副業を探したり、ポイ活で小銭をかき集めたり。
求人広告を見て、今より楽で稼げる仕事がないか探しています。
これは「怠ける」ではなく、淡々と現実に向き合っている姿。
やみくもに働くのではなく、“自分が無理なくできること”を常に模索しているという印象を受けました。
周囲の理解が、精神的な支えに
働くことに対する世間のプレッシャーは根強いですが、彼女の周囲では比較的理解があるとのこと。
身体を壊しているので、周りからは「そうしたらいいよ」って受け入れてもらえてます。
ここには「限界を知っている人の選択」を尊重する空気感があります。
無理をして倒れてしまう前に、自分から距離を取る。
その判断を肯定してくれる人が身近にいるかどうかは、心の安定にも直結する要素です。
働きすぎをやめたら、怒らなくなった
彼女があまり働かないライフスタイルを選んで、一番よかったと感じたことは、
「イライラしなくなったこと」。
バイト先で以前なら我慢できなかったことも、
「もうがんばらなくていいや」と思うようにしたら、放っておけるようになったんです。
「問題を解決しなきゃ」と気を張り詰めていた頃とは違い、“心のゆとり”が生まれた結果、衝突も減っていったそうです。
問題を解決することよりも、自分が消耗しないことを優先する。
そんな発想の転換が印象的でした。
もちろん、すべてが順風満帆ではない
一方で、デメリットもあります。
年相応の経験をしてこなかったので、難しい大人の判断に弱くなっているかも。
将来を見据えた準備などは、やっぱり人より遅れている実感があります。
これは「あえて背負ってこなかったからこその弱さ」とも言えます。
でもそれを悲観するでも否定するでもなく、「自分の代わりに誰かがやってくれるわけじゃない」ことを理解して、必要なところだけ現実と向き合っていく」。そんな誠実な姿勢が見えます。
少し肩の力を抜いて、生きてみてもいい
このアンケートを通して印象的だったのは、“自由を謳歌してる”というより、“静かに折り合いをつけながら暮らしている”という彼女の雰囲気です。
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頑張りすぎた自分に限界を感じた
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だから今は頑張らない選択をした
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それでも、自分なりに現実に向き合っている
無理して何かを得るより、無理しないで日々を穏やかに生きること。
その価値に、もっと多くの人が気づいてもいいのではないでしょうか。